works2025-12-03天秤の針は、真ん中でなくていい夜明け前。 世界がまだ、青黒い静寂に包まれている時間。 コーヒーの湯気が、淡く立ち昇るのを眺めながら、 ふと「均衡」という言葉の重さについて考える。 どこもかしこも、声高に叫ばれる言葉がある。 **「ワークライフバランス」。** 仕事と生活。 その二つを天秤にかけ、水平に保つことが正義であるかのような響き。 けれど。 その天秤の針を見つめれば見つめるほど、 心のどこかに、小さな棘が刺さったような違Read Article →
works2025-12-02星の配置が違うように夜の底に沈殿するような、深い静寂の中にいる。 そんな真夜中の空白に身を置いていると、昼間には見えなかった言葉の輪郭が、ぼんやりと浮かび上がってくることがある。 **コミュニケーションとは、なんと脆く、頼りないものなのだろう。** 私たちが根を張ってきた土壌は、誰一人として同じではない。 ある場所では激しい雨が降り続き、別の場所では乾いた風が吹き荒れていたかもしれない。 吸い込んできた空気の味が違えRead Article →
life2025-12-010と1の隙間に、灯りをともすディスプレイの青白い光だけが、深夜の部屋を静かに満たしている。 キーボードを叩く乾いた音が、一定のリズムで闇に溶けていく。 エンターキーを押し込んだ瞬間に指先へ返ってくる、わずかな抵抗と解放感。 それはまるで、深い井戸の底へ小石を投げ入れるような、頼りなくも確かな感触に似ている。 これまで、デジタルの海にいくつもの「家」を建てては、そのまま雨風に晒し、廃墟にしてきた。 流行りのプラットフォームにアRead Article →